「福祉の世界って専門知識がないと駄目なんでしょう?」
「未経験の中途採用で入ってうまくやっていけるかな?」
こんな疑問を抱えている方もいらっしゃるかと思いますが…。
ココスタで働く約4割のスタッフは未経験者の中途採用なんです。
今回はそんな「福祉未経験の中途採用でも大丈夫なの?」のそこんところについてぶっちゃけます!
未経験でも障がい福祉って出来ますか?
いのうえさん、僕、ココスタで働きたいと思ってるんですけど、正直福祉の経験が全くないんです…。以前いた会社は飲食店関係だし、その前は営業関係だし…。
そんな僕ですけど、障害福祉の世界でやっていけますかね?
そうだね。正直、簡単には「大丈夫だよ!」とは言えないかな。
でも、僕は言うよ。「大丈夫!」だって!
その理由を説明する前に、まずは僕たちの仕事について知ってもらおうかな。
就労継続支援B型のお仕事って?
僕たちが運営する就労継続支援B型のココスタには、働きたい気持ちはあるけれど、障害が原因で雇用契約を結んで働くことが出来ない方たちが通われているんだ。
僕たちはその方たちに対して働くチャンスを提供したり、生産活動のきっかけを提供し、働くうえで必要なスキルや知識の向上のための支援を行っているんだよ。
なるほど!
でもね、ただ単純に「働く能力」を訓練してるんじゃないんだ。
ココスタでは毎日、軽作業やポップコーンづくり、調理やお菓子作りを行ってるんだけど、その仕事を通じて、利用者さんが「なりたい自分」「自分の生きたい人生」を生きることが出来るようなお手伝いをする…。それが僕たちの本当の仕事なんだよ。
「なりたい自分」「自分の生きたい人生」のお手伝い…?
それってどういうことですか?
うん。人は誰しも「こうしたい」「こうありたい」って気持ちを持っているでしょう?
「住み慣れた場所でゆっくりと安心して暮らしたい」
「趣味に使えるお金がもう少し欲しい」
「家族と一緒に楽しく暮らしたい」
「一般就労がしたい」
もちろん、その人の「状態(心身の状態)」によっては、そういう思いや願いが持てない時期もあるかもしれない。でも、基本的にはなんらかの思いを抱えているんだ。
けれど、障害が理由となってそれを叶えることができない。
そこで悩まれている方が多いんだね。
僕たちの仕事は、利用者さんのそんな「想い」を汲み取りながら、日々の作業を通して利用者さんの状態を把握し、寄り添い、想いを実現するために支援していくことなんだよ。
へー!
なんとなくわかってきました!
…でも、「支援」って言っても、具体的にはどんなことをやっていくんですか?
支援をする時にまず大切な事はラポール形成
まずは「利用者さんとの信頼関係を築く事」…「ラポール形成」っていうんだけど、これが一番最初に大切なことだね。
人は誰かに何かを相談するとき、どんな人に相談するかな?
やっぱり「信頼できる相手」「安心できる相手」じゃないかな?
そのために、支援員はまず「信頼して話をしてもらえる関係」を築くことが大事なんだ。
最初は雑談からでもいい。ただ、この時は「雑談を活かす」という事を意識するといいよ。
雑談を活かす?…ですか?
そう。
ただ「好きなアイドルの話」や「好きな趣味、食べ物の話」をするんじゃなくて…
そこに「その人の生活背景」や「本人の真の願いや想い」を引き出していく雑談の仕方というのを意識すれば、それはいずれ「支援」に繋がっていくんだ。
・家族構成はどうで、家族とはどんな関係なのか?
・日々の生活でどんな食生活を送っているのか、なぜその食生活を好まれるのか?
・趣味はどんなことで、それを楽しむために日々どんな過ごし方をされているのか?
・日頃どういう方と交友関係があって、どういう連絡手段でやりとりをされてるのか?
利用者さんの背景を知るためには、いろんな事を知る必要があるよね。
でも、ストレートに聞いても「自身の想いがわからない」「うまく言葉にできない」方もいるんだ。
そこで、日々の雑談でさりげなく引き出して、利用者さんの事を知っていくことはとても大事な事なんだよ。
なるほど!
ただ話を聞くだけじゃなくて、利用者さんの事を知るための「雑談」なんですね!
そう。そうして少しずつ信頼関係を築いていって、そのうちに利用者さんが本当に困っている事、叶えたい事を知る。
そしてそのために支援が必要ならば、その人その人に応じた支援を行っていく…という感じかな。
この時に必要な支援はいろいろとあるよ。必要とあれば…
・市役所などへの同行
・病院(精神科やメンタルクリニック)への同行
・計画相談員や訪問看護、ヘルパーなどとの連携
こんな事を利用者さんと一緒に取り組んでいるんだよ。
なるほど!
ただ「作業」を一緒にするんじゃなくて、作業を通して、その向こう側にある利用者さんの想いに寄り添い、支援していくって感じなんですね!
支援員として福祉経験が必ずしも必要じゃない理由
そうだね。
ところで、今までの話を聞いてどう思ったかな?
素直な感想を聞かせてもらいたいな。
そうですね…。
正直、福祉のスキルがどうとかじゃなくて、「人間力」みたいなものが大切な気がしました。
利用者さんの人生に寄り添って、想いを汲み取り、その手助けをする…。
これって、障害を持たれてる方に限らず、人と人のかかわりにおいても普段からやっている事だと思うんです。
「困っている人が居たら助ける」っていう感じなのかな…?
もしもそうだとするならば、そこに一番必要なのは「専門的なスキル」じゃないような気がしたんです。
いえ、もちろん福祉の知識も大切なんだと思います。
でも、それ以上に大切なのは
「人として、真摯に誠実に、まっすぐに人と向き合おうとする覚悟」
なんじゃないかと感じました。
その覚悟があれば、専門的な知識は後からでもいいのかなっていうのが、正直な感想です。
うん!その通りだね!
僕たちの仕事に一番大切なのは「利用者さんと向き合う覚悟」だね。
利用者さんはそれぞれ、障害が原因で、心の底から悩んだり苦しんだりしている。
その悩みや苦しみを「その人に必要な社会資源」を適切に利用して、悩みを解決してあげるのが福祉の仕事なんだ。
その過程の上で大切なのが、今あなたが言った…
「人として、真摯に誠実に、まっすぐに人と向き合おうとする覚悟」
なんだよ。
その覚悟は、福祉の経験のあるなしには関係ないと僕は思っている。
仕事の経験だけじゃなく、その人がどういう人生を生き、その中でどういう想いや経験をしてきたか。
その全てが、支援の糧となるんだよ。
そうして日々全力で支援していけば、福祉の知識や経験もついてくるからね。
わかりました!
仕事の経験だけじゃなくて、僕の人生のすべてが役立てるってことですね!
福祉の経験がないから大丈夫かなぁって心配だったけど、なんだか自信が湧いてきました!
それはよかった!
またわからないことがあったらなんでも聞いてくださいね!